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2008年12月23日
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無事剱岳の山頂に立てたものの下りのことを考えると山頂で飯を食う気にもならずしばらく佇んだ後早々に下山することに。さっそくこの山行最大の関門、カニのヨコバイへとさしかかりました。が、ここでもやはり渋滞が。まぁかの有名なヨコバイなんでこれもしょうがないかなと思ってました。オレの後ろのおっちゃん曰く「ヨコバイから先に向かってる人が全然見えないだろ。こういうときはヨコバイで誰か固まって動けてねぇんだ。」
つーかこいつは人事じゃない。もしかしたらオレが渋滞の原因を作ってしまうかも・・・。そう思いながら自分の順番を待っていました。すると・・・「落ちた!!!!」という叫び声が。自分のすぐ前で人が滑落しました。いつかはこんな場面に遭遇するかと思ってはいたものの正直血の気が引きました。手に力が入らん。オレの後ろにいたザイルを持ってた人たちがヨコバイの下へと降りていくのを見ながら「どうしよう・・・」。はっきり言ってここは通りたくない。かといってタテバイを降りるわけにはいかないし早月尾根を降りるにしてもここだって決して簡単なルートではない。それに剱沢にテントをはじめいろんな荷物を置いている。こうなるとどうしてもヨコバイを通過しなくてはならない。
滑落した方のほうはレスキューは呼んだもののなかなか来ず。しばらくヨコバイの渋滞は動きませんでした。しかしヘリが来るとものすごい風が吹き荒れるのでこんな岩場にいると危ないという事でやっと渋滞が動き出しました。そしてついにオレの番。もう必死でした。最初の一歩さえ決まれば後は大丈夫というガイド本のとおり最初の一歩が難しかった。でもなんとか無事に通過できました。しかしここから先も断続的な渋滞が続きました。とにかく岩場・鎖場がずっと続くのでそのたびに一々渋滞しました。後ろのおっちゃんは「日本一渋滞するルートだからしょうがない」
徐々にヨコバイからは離れて行くものの滑落の現場からは落ちた方の旦那さんと思われる方の「〇〇子、がんばれー!!!」という叫び声が聞こえる。それが徐々に涙声に変わり最後は「〇〇子ー!!」と悲痛な泣き声へと変わっていきました。聞いているこっちもいたたまれなくなりました。結局ヘリが現場に到着したのは滑落してから一時間以上たってから。オレはだいぶはなれた鎖場を降りていましたがそれでもヘリからの風で小石やらなんやらが飛んでくる。ヘリの風は強烈だ。ヘリはあっという間に滑落された方を収容し現場を離れていきました。そして気持ちを切り替えてキャンプ地の剱沢を目指しました。気持ちはずっと張りつめっぱなしだったけど何だか高度感が麻痺してきて少々の鎖場なら「こっから落ちても死にはせんわな・・・」とか思うようになってきた。とにかく下を見たりいろいろ深く考えたりしないようにしてなんとか一服剱までたどり着いた時には「あーやっとここまで帰ってきた・・・」。眼下に剣山荘が見えた時には心底ほっとした。剣山荘まで降りると牛乳飲んで一息入れた。あとは剱沢まで普通に歩くのみ。テン場まで戻って来れた時には「あーオレ、生きてるわ」ってホント何時間ぶりかに肩の荷が下りたという感じに。渋滞とか滑落事故とかいろいろなことがあって往復にかかった時間は8時間ほど。体力的にというよりも精神的に疲れました。とりあえずテントに倒れこみました。その後飯食ってこの日も6時前にはシュラフに潜り込みラジオを聴きながらうつらうつらしてました。7時のニュースで滑落事故のこともやってました。滑落されたのは水戸から来られた59歳の女性の方で夫婦で来られてたそうです。亡くなられたということでした。
DSC_8053.JPG翌日、この日も快晴。朝飯を食ってテントを撤収。この日は立山三山を縦走して室堂までの予定だけど何だかこのテン場を離れた時点でこの山行が終わったような気持ちになりこの日も朝の天気は快晴
なんだかさみしくなりました。別山、真砂岳と通過し大汝山にさしあたるあたりからガスが出てきました。その後は晴れたり曇ったりをくり返したものの午前中のようなスカッとした青空には戻りませんでした。そして室堂に到着。翌日は常念岳に登る予定でした。しかし天気は下り坂にむかうと前日夕方の予報からず~っと変わらずだったので考えぬいた結果今回は撤収することに決定。出発前の予報はこの連休はすべて晴れマークだったのに・・・。山の神様はやさしくないな~。室堂からバス・ケーブルカーを乗り継ぎ立山駅近くの駐車場まで降りてましたが途中、折立から室堂まで一泊二日で歩きぬいたすごい人と出会ったり、紅葉シーズン真っただ中ということで美女台でケーブルを一時間近く待たされたりいろいろあったけど今回の山行も終わりを迎えました。常念をあきらめなければならないという何ともやりきれない思いで車を川西へと走らせましたが、川西に戻るまで雨なんて一粒たりとも降らず前回の富士山をあきらめた時のようなやりきれない無念な気持ちいっぱいのまま帰宅の途に就きました。
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1977/09/23
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さらりーまん
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自己紹介:
登山、ロードバイク、一人旅が趣味の37歳。メタボの泥沼からなかなか脱出できないがそれは自分の意志の弱さだとようやく気がついた。最近は「食べるな動け!!」をモットーに脱メタボを目指す。
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