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2008年12月23日
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DSCF2234.JPG小屋まで戻る。水晶に向かう前は良好だった視界も完全にガスに包まれている。まぁ登るときに晴れててラッキーだったな。ちなみに今日は予想通り二人で一つの布団である。仕方がない…。





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この天候なので戸も閉まっていた。







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トイレはこの奥。中にないので雨が降ったら大変だ






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そうありたいもんですな。







明日は鷲羽に向かうが心配事が一つある。地図を見ると鷲羽へ向かう途中、ワリモ岳を過ぎた辺りに「危」マークが一つ付いているのである。案内を読むと岩場をへつるようになってて鎖があるとか書いてある。「へつる」ってどういうことかよくわからんが僕の中ではスコーンと切れた岩場のトラバースみたいなものを想像してしまう。今日登ってきたやせ尾根が「足元注意」なのにあちらの方は「危」マークなのである。考えるだけで不安である。そこで小屋のお姉さんに「どんなとこ?」って聞いてみた。 すると「岩場をへつるようなところですけど特に危険というわけではないです」みたいな答えが返ってきた。え~。マジで?つーかこの辺に足を踏み入れる人って皆さん経験豊富だからそう言えるんじゃないの?だって「危」マークついててなんともなかったことなんて今までなかったぞ。なのでさらに詳しく聞いてみると、この「危」マークの部分はほんの一ヶ所だけでそれが続くわけではないということ、そしてこのルート自体はごくごく一般的なルートであることも教えてもらった。それを聞いてもやっぱり安心はできなかった。「いや~あそこは危ないですねぇ」と言われるよりはよっぽどましなんだがやっぱりねぇ。まだ15時過ぎだがとっとと晩飯を食べる。ペヤングの焼きそばとアマノフーズの北海道みそカニ汁である。このカニの味噌汁、味が濃厚でとってもうまい。最近のお気に入りである。
飯を食い終わったら食堂で地図を眺めて過ごす。「今日はここを歩いてきたんだなぁ」正直周りの人と比べると距離は短い。烏帽子小屋に泊まった人は三俣山荘までいく人が多かった。しかし僕自身はこの行程で満足している。この山行では今日が一番心配だったけど無事に小屋にも着いたし水晶にも登れた。達成感と幸福感に満ち溢れている。
自分の布団に戻り小屋にあったドラえもんを読んでいると朗報が。なんと二人で一つの予定だった布団が一人一つに変更になったのである。これには「おぉ~」と歓声が上がった。
そして自分一人のふとんに寝転びドラえもんの続きを読む。40年前くらいのドラえもんである。大昔はしずかちゃんのことを「しずちゃん」と呼んでいた。いつぐらいから「しずかちゃん」になったんだろ??
周りは夕食のため食堂へ。昨日に引き続き自炊は僕だけのようだ。下からカレーのいい匂いが上がってくる。「おかわり自由ですよ~。」の声も聞こえてくる。いやーやっぱ山に来たらカレーである。軽量化のためにインスタントめんばかり持ってきたが一食くらいはカレーがいるな。
そんなことを考えながら1日が終わった。


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  小屋に着き受付を済ませる。トレランの二人組も小屋の前で休憩していたので「今日はどちらまで?」と尋ねると「高瀬ダムまで戻ります」と言うのでビックリした。つーか今きた道を引き返し下まで降りる…次元が違いすぎて笑けてくる。トレランの人達には「宿泊」という文字は存在しないんだろうか?

僕の方はサブバックに荷物を積み替え水晶岳を目指す。12時40分、水晶岳に向け出発。往復1時間10分でも念のため行動食と水に加えてヘッデン、ツェルトを持っていく。ストックは邪魔になるので置いていく。そして水晶岳に向けいざ出陣。ネットなんかで見るとここから水晶岳までの行程も「険しい」とか「簡単には登らせてくれない」とか書かれている。途中で梯子もあるようだ。歩き出しは平坦の開けたところから始まる。
 まずは小屋の前で自分の歩いたトレイルを眺める。
アップで。あんなとこを歩いてきたんだな。雨とガスにやられて全然わからなかった。
後ろを振り返る。小屋が小さくなってゆく。

  
 

しかし感慨深いなぁ。山を始めて間もない頃、ヤマケイの「百名山地図帳」を見ていて水晶岳のページを見て大いにビビった。「コースタイム26時間50分。標高差4007m。」
それまで日帰りの山しかしたことがなかったのでこの丸一日歩き続けても終わらない水晶岳という山に「怖ぇ~。怖すぎる。百名山に全部登るならこんなとこにも行かねばならんのか…」とあまりのスケールの違いに「こんなの無理だろ…」って本気で思った。その時のインパクトがあまりにも大きかったので二泊、三泊するような山行をするようになっても、水晶岳に関しては「北アルプスの一番奥地」「めっちゃ遠い」という印象は相変わらずだった。しかし去年の笠ヶ岳の山行で転機が訪れた。下山時、弓折乗越で地図を開いた時に「ほぉ~、ここから1時間で双六小屋か」と気づいた。そこに行くまでもすれ違う人々と話をすると「水晶から来た」と言う人や「鷲羽に登った」と言う人がちらほらおり、ここの乗越で「双六方面」なんて道標を見たときに「これ、行けるかも」と思ったのだ。というわけで当初は今回の山行を新穂高温泉からのピストンで計画していた。(結局いろんな事情が重なって裏銀座を歩くことになったんだが・・・)
目の前に目指す岩山が迫ってくる。ネットで見ていた通り荒々しくて険しく見える。ただし足場さえしっかりしてれば問題ない。こういうのを頭と体で理解させてくれた春の岩登り教室に感謝だ。
これまたネットで出てきた梯子までやってくる。ここの梯子が非常に気になってたけど別にどうということはなかった。
山頂までの道のりは左手が切れてるけどしっかりと足場があるので「うわ~高いな」と思うことはあっても「うわ~怖いな」と思うことはない。
ガスと風・雨が入り混じるあいにくの天候の中、13時13分ついに念願の水晶岳の山頂に立った。山頂には僕だけだ。前を見ても後ろを見てもだーれもいない。念願の水晶岳の山頂を独り占めである。これで天気が良ければ言うことないのだがあいにくの荒天である。
 天気がヤバいので下山にかかる。岩場の険しいところを超えるとふつふつと幸福感が湧き上がってきた。「とうとう登ったぞ。」
他の人的には別にそんな大げさな山ではないかもしれない。しかし僕的には長年「あそこは厳しい」と思い続けた山である。そこを登り終えて「やったよ~」という達成感に包まれる。いや~この感覚、剱岳に登って以来かもしれん。自己満足だが何とも幸せな気持ちで小屋まで戻った。
 
 
 
 
 
 
 
 

2日目。7月27日、4時20分に起床。ほんとは5時前まで寝て6時に出発しようと思ってたんだけど午後は天候が崩れる予報なので少しでも早く出発しようと思いこの時間に起き上がった。ちなみに4時になると小屋全体の明かりがともった。
ところで本日は行程は裏銀座を水晶岳小屋まで進み水晶岳をピストン。そして水晶小屋に泊まるというというものである。水晶小屋までのコースタイムは6時間。小屋から水晶岳までは往復1時間10分となっている。
朝食をとりながら遭対協の人と話す。昨日の予報では15時から雨ということだったけど今朝になって昼前から雨というふうに変わっていた。これは下界のなのでそのまま山の上には当てはまらない。実際のところ西側の空は黒い・・・。まぁ昨日からそんな具合なんだけどこれからそこへ向けて歩くわけである。少し気が重い。
5時20分、出発しようとしたときに雨が降ってきた。「おいおい早すぎるだろ!!!」結局ザックカバーをかけ雨具、スパッツを付けていると出発は5時35分となっていた。午前中は持つはずだったのにいきなり出鼻をくじかれた。
まずは野口五郎岳を目指す。降り始めた雨はすぐに止んだけど降っては止んでを繰り返す。相変わらず西の空は黒い。東の空は時折太陽が顔を出すもののあの進行方向の黒い空を見る限り好天は望めないだろう。
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三ツ岳方面を望む






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烏帽子小屋のテン場下の池。水面には青空が映っている。東側はいい天気なんだが・・・。






三ツ岳へと続く登りへ差し掛かるところでおばちゃん二人組に追いつく。立ち止まっているので「どうかしました?」と聞くと「今、雷鳴が聞こえたので。行こうか戻ろうか考えてるところです。」とおっしゃられる。うわ~マジか。ただでさえ人の少ないこのルートで先行者がいることは非常に心強かったのに。とはいえ僕は引き返すつもりはない。この天候で心細くはあるけれど水晶小屋まで行くのだ。
えっさほいさと歩きながら後ろを振り返るとおばちゃん2人組も後ろをついてきていた。進むことにしたんだな。よかったよかった。
DSCF2120.JPG
振り返れば歩いてきた稜線が。あちら側はいい天気。






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稜線の背後には不動岳が鎮座する。






しかしながらというか予想通りというか天候は悪化の一途をたどる。湧き上がるガスと時折雨の降る稜線歩きをしているとはるか前方にオレンジのザックカバーが見える。昨日のおっちゃんである。朴よりも30分ほど早く出発したおっちゃんはこの悪天候のなかでも何事もないかのごとく飄々と歩いている。かっこいいな~。やっぱ年季が違うよな。途中、おばちゃん3人パーティーとすれ違う。野口五郎小屋を4時過ぎに出発したらしい。どこまで行くのか知らないけど気合入ってんなぁ~。
僕のほうは後ろのおばちゃん2人組とつかず離れずの間隔で歩く。三ツ岳を過ぎると本格的に雨が降り始めた。DSCF2137.JPG
8時17分、野口五郎小屋に到着。雨&ガスであまりに天候が悪いのでひとまず休憩。登山バッチを買い、トイレを済ます。同じく停滞しているおばちゃん二人組と少し話をする。言葉が関西弁なので「どちらから??」と聞くと京都からだという。件のおっちゃんも京都の人であった。今回は京都人多し。




DSCF2139.JPG

雨粒が写るほどの降りっぷり。






8時39分、出発。雷警報が出ていることもありおばちゃんたちはもう少し様子を見るという。DSCF2141.JPG
8時59分、野口五郎岳到着。雨である。小屋の方を見下ろすとおばちゃんたちの姿が見えた。





DSCF2142.JPG
引きだと文字が見えんのでアップ!!見ての通り背後はガス。









野口五郎から真砂岳方面へ向かう。この辺りからペースが落ちてきた。僕特有の通称「二日目病」である。僕の場合初日は大体調子がいい。ところが2日目以降にがくーんとペースが落ちる。これが二日目病である。これに対し山の相方K籐の場合は初日はすこぶる調子が悪い。これを「初日病」と呼ぶ。ただしK籐の場合は2日目以降は劇的に調子が回復するので僕が足を引っ張るパターンが常である。しかし今回はこれまでと少々感じが違う。ここのところの残業地獄で寝不足が続いており体がだるい。そしてなんか胃がむかむかするので胃薬を飲みながら働いていた。平たく言うと山に登る前からコンディションが非常に悪かった。だからと言ってこの山行をやめるという選択肢はみじんもなかった。
野口五郎を通過すると天気が回復してきた。それまでは東側は晴れ間もあったんだけどついに西側も晴れてきた。ただガスは完全には晴れない・・・。
そして真砂岳の脇を通り竹村新道との分岐に到着した。
DSCF2090.JPG部屋に通され自分の場所に陣取る。六畳くらいあるのかなぁ。今は僕を含めて三人が到着している。これが何人まで増えるのか。明日の水晶が激混み決定なので今日は1人1枚の布団で寝たい。
そして飯の準備をする。今回の山行はすべて自炊である。背中を軽くするためにもせっせと食べねばならない。今回は軽量化のため定番のボンカレーや缶詰め、フルーツなどは持ってきてない。リフィルのカップヌードルやペヤングの焼きそばなどのインスタントラーメンが主力である。で、リヒィルのどん兵衛を平らげ昼飯終了。

DSCF2059.JPG缶ビールを買い外で山を見ながら飲む。いや~いいね。山でこんな時間からまったりなんて久々だ。その昔剱沢から剱岳眺めながら「ぼ~」と飲んでたとき以来だな。これぞまさしく山旅!!




DSCF2102.JPGお花がきれい。








DSCF2073.JPG今回は赤牛岳なんかを眺めながらぼ~っとする。天気の方は快晴とは言えず赤牛岳方面(西側)は雲が黒い。明らかに雨雲なんだけど東側は太陽が出て青空も見える。雨雲が近づくと雨がパラパラ降り始め少しするとやむ。こういうのを何度か繰り返した。北側を見ると岩山の烏帽子だけが見える。時間的には往復できる時間帯だけど、いつ雨が降るかわからんのでいかない…というのは言い訳でほんとは鎖場があるからいかない。これが百名山ならそれでも行かねばならんがそうじゃないから行かない。ダサすぎる言い訳だけどこれが偽らざる本音である。いやーダサいですな(笑)
缶ビールを二本空け、小屋の中に入る。僕の部屋は三人しかいないけど今日はこれだけしかいないようだ。ひとり二畳以上のスペースがある。いや~ラッキーだなぁ。
隣のおじさんと話をする。御歳は64才でなんと今日で山に入って10日目とのこと。すげぇ。なんでも蓮華温泉から入って稜線沿いに歩いているとのこと。一昨日、洗濯とお風呂のために舟窪小屋から七倉山荘まで降りて昨日再び舟窪小屋まで上がってきたと言う。ますますすげーな。しかしここの小屋…と言うよりもこのルートを歩いている人の平均年齢は高めである。隣のおじさんに話しかけていたおばあさんは72才。64才を捕まえて「あなたはまだ若いんだから」なんて言っていた。小屋に駐在している遭対協の人も「この辺りのルートはベテランが多いから事故が少ない」と言っていた。
大概水晶方面から来た人たちか不動岳方面から来た人ばかりで皆さん大変健脚である。一日の行程も非常に長く隣のおじさんは明日は三ツ俣山荘まで歩くと言う。そういうのを聞いてると自分の予定を話すのが恥ずかしくなってくる。まぁ一矢報いるとすればこの小屋に泊まる人たち全員が食事は小屋の食堂で食べていた。なので荷物も皆さん少ない。だからといって僕も同じ条件なら同じ行程歩けるかと言えば自信はないんだが…。
みんな食事に行ったが僕はと言えばビールを飲んでたときにつまみも食ってたので腹は減っていない。なので晩飯はなしとする。ゴロゴロしながらiPod代わりの使い古しのiPhoneで音楽を聴く。山小屋で聴くといつもの曲も違って聞こえる。DSCF2085.JPG
明日は午前中は晴れで午後から崩れる予報。あくまでも下界の予報なんだがとりあえず崩れる前に小屋に逃げ込みたい。二十時が消灯で電気が消えた。ここのところ残業地獄で睡眠時間が五時間ほどである。「いや~山にでも来なきゃこんな時間に眠れんわい」
久々にゆっくり寝れる幸せに浸りながら一日目が終わった。




DSCF2108.JPG一応夕焼け。明日は晴れるか??







DSCF2110.JPG夕日に染まる烏帽子小屋。













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男性
誕生日:
1977/09/23
職業:
さらりーまん
趣味:
登山 自転車 旅 鉄道
自己紹介:
登山、ロードバイク、一人旅が趣味の37歳。メタボの泥沼からなかなか脱出できないがそれは自分の意志の弱さだとようやく気がついた。最近は「食べるな動け!!」をモットーに脱メタボを目指す。
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