忍者ブログ
2008年12月23日
[1333] [1332] [1372] [1370] [1369] [1368] [1366] [1362] [1346] [1344] [1335]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 63座目の百名山、鷲羽岳をあとにする。昨日から体調が悪いけど今のところだいたいコースタイム通りで歩いている。普通なら八掛け位で行けるんだけど今日のところはコースタイム通りに歩くのが目標である。 
山頂から少し下ると分岐が現れた。「一本道のはずなんだけどなぁ」と地図を広げると池へと下る分岐であった。
手前の赤いジャケットの人、ホーボージュンにそっくりで思わず声をかけそうになった。 
ガスの中をさらに進むと下からじゃんじゃん人が上がってきた。  
皆さん息も絶え絶えな感じである。登りの人的には胸突八丁って感じか?結構な急登である。
 
  さらに進むとガスの切れ間から三俣山荘が見えた。下からは大挙して登って来る人たちが見える。しかしこりゃきつい登りだろうなぁ。ワリモ岳側からの方が楽そうだ。
 切れたガスも一瞬で元通り。

下りてきた道を振り返る。いや~急だねこりゃ。
手前が硫黄岳で奥が大天井か??よくわからん。
アップ
手前にはたっぷりの雪
  急な下りをこなし10時23分、三俣山荘に到着。コースタイムよりも15分遅い。この辺りからまた胃がムカムカしてきた。体もしんどい。ただバテたというよりも体調不良である。
とりあえず小屋に入り三俣蓮華の登山バッチを買いトイレを済ます。そして小屋の前のベンチでルートの確認がてら休憩。水晶小屋からここまで4時間以上。遅いうえにたった4時間でこの疲労感。自分の情けなさは認めるけどやっぱ日頃の残業地獄の影響もあると思う。初日は勢いだけで登れたけどそれ以降は確実に疲れが出てきている。下界でもエスファイトゴールドと胃薬を飲みながらなんとか仕事をこなしてたって感じだったし。そんなことを考えると少々弱気になってくる。

とはいえ行かねばならん。進むべき三俣蓮華の方角には黒い雲が。こりゃ時間の問題だな。
あそこを登っていくのね
テン場を通り黒部五郎との分岐へ差し掛かる。
ここから残雪を踏んで三俣蓮華への登りが始まる。う~む、体が重い。そしてとうとう降ってきた。ここから先は断続的に降り続ける。
お花畑もあったりする
後ろからおじさんがついてくる。三俣山荘で休んでるときに隣に座ってたおじさんである。付かず離れずの距離感で僕が先行する。双六の巻き道ルートとの分岐に到着。下から上がってきた人がいたので話をする。事前情報で雪の量が多いと聞いていたので「やっぱ雪は多いですか?」と聞くとやはり「今年はいつもより多いね」ってことだった。時間的に「鏡平からですか?」と聞くとなんと「いや。新穂高の駐車場から。」と驚くべき回答が。さらに「鷲羽までトレーニングのつもりで来たんだけど時間がなくなってきちゃった。12時になったら引き返そうかな。」なんていうので「今日は双六小屋ですか?」と聞くと「いや。明日仕事があるから下まで降りる。」とか言うではないか。僕とのレベルの差に唖然としてしまった。大体この水晶とか鷲羽のエリアってこんな超人みたいな人が多すぎる。昨日の水晶岳日帰りのトレランの人もそうだけど笑えてくるくらいおかしい人がいっぱいだ。ちなみに鷲羽岳の日帰りを目論むこの人はトレランではなく純粋に登山の格好をしていた。
この超人と別れヘロヘロの僕はのろのろと三俣蓮華への最後の登りにさしかかる。雨は強くなるしガスも濃くなる。傾斜のきつさが身に染みる。胃のムカムカと気分の悪さがさらに歩みを遅くする。
行き倒れ寸前のところで三俣蓮華岳に到着。強い雨と強い風、おまけに濃いガスにさらされて何ともブルーな気分である。当然周りはなーんにも見えない。

時刻は10時55分。三俣小屋から三俣蓮華までのコースタイムは40分。実際にかかった時間は75分。ほぼ倍の時間がかかっている。山を始めて9年目、こんなに大崩れをしたのは初めてである。景色は全く見えないので登頂の証拠写真を撮り三角点をなでなでして先へと進む。

胃のムカムカがかなり激しい。今なら吐ける。今すぐにでも吐けるぞぉ~!!そんな体調ということもあり、双六方面へと進みつつもどうするかを考える。双六岳に登ったところでなーんにも見えないだろう。ただ「登りました」という事務的な事実しか残らない。正直もうバテバテでもある。百名山でもないし無理して登らなくてもいいのでは?なんて考えながら歩く。しか~し!!ここまで来て双六岳を取りこぼすとあとあと後悔するに決まってる。「あのとき行っときゃよかったな~。」って。そう思うと百名山だのなんだのなんていう打算的な考えを改めて予定通り双六岳にいくことにした。後ろからついて来てたおじさんとは抜きつ抜かれつ歩いていたんだがその間に色々話をした。このおじさん、今日は雲ノ平から来たらしい。で、僕が双六へ登ると言うと昨日登ってきたとのことで稜線ルートは残雪が多くて通行止めということと中道から稜線ルートに合流する春道というのがあるということを教えてくれた。稜線ルートの双六の山頂付近(山頂の南側)は広い尾根で霧の日は迷いやすいと地図に書いてある。なので僕は中道コースとの分岐から山頂を往復しようと思っているんだが、おじさんは春道コースで降りれば中道コースに合流できるのでそちらを勧めてくる。まぁそちらの方が合理的ではある。しかしどういうわけか僕の地図にその春道コースの記載がない。この体調に加えこの悪天候である。そんなときに地図にも載ってない人から聞いただけのルートに進むってのはどうだろう?う~む…なしだな。実際その春道というのが一番の近道かもしれん。ただこういう状況なら一番確かなルートをとる方が安心だ。多少時間がかかっても。やっぱり引き換えそう。
稜線コースと中道コースとの分岐に来るとおじさんはこの先の状況を詳しく説明してくれた。その気持ちは非常にありがたかったが気持ちだけ頂くことにした。だいたいどう言えば失礼に当たらないのかがわからん。親切で言ってくれてるのに「いや、計画を変えて地図にも載ってないルートをこの天候の中で選択するのは不安です」とはとても言えない。とりあえず「わかりました」とだけ言っておじさんと別れる。おじさんは「中道コースとの合流でまた会うかもね」と言っていた。ちょっと心が痛い。

ここからは完全に一人旅である。人気の山ではあるんだがひと気が全くない。ガスで真っ白のなかを一人進む。左手にはかなり大きな雪渓が残っているのが見える。
雪渓を振り返る。

この双六岳に登るにあたってずっと頭に残っていることがある。その昔、どの山だったか忘れたが、出会った人が「双六に登ってたら熊が目の前を横切った」と言っていたのである。その人は普段出会うことはあまりないけどそこら辺にもけっこう熊はいると言っていた。今まさにその双六岳に登っているのである。辺りは僕一人。少々不安である。双六への道は樹林帯ではなくわりと開けている。晴れていればアルプスの山々を眺めながらの気持ちのいい道なのだろうが今はただ雨が降り、ガスのわく気の滅入る道である。

そして岩場の登りが始まった。ここを登れば山頂である。
えっちらおっちら登ること数分、登りきったその場所が双六岳の山頂であった。時刻は12時28分。三俣蓮華を出発したのが11時。コースタイムは60分。う~む、コースタイムの1.5倍か・・・。
山頂は雨風共に強い。写真を撮るもレンズに雨が。拭いても取れんし・・・。
一応その先にも進んでみる。もし行けそうなら件の春道コースというのも少し気になる。しかし・・・・・・ダメだこりゃ。もう真っ白で何も見えん。しかもだだっ広いので「これは足を踏みいれてはいかん!!!」と即座に判断して来た道を引き返す。
結局中道との分岐までクマにも合わなかったけど一人の人間にもすれ違うことはなかった。

 

PR
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
フリーエリア
最新CM
最新記事
最新TB
プロフィール
HN:
としぷー
年齢:
46
性別:
男性
誕生日:
1977/09/23
職業:
さらりーまん
趣味:
登山 自転車 旅 鉄道
自己紹介:
登山、ロードバイク、一人旅が趣味の37歳。メタボの泥沼からなかなか脱出できないがそれは自分の意志の弱さだとようやく気がついた。最近は「食べるな動け!!」をモットーに脱メタボを目指す。
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
カウンター
忍者アナライズ
忍者ブログ [PR]
○photo by hanamaru.○