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2008年12月23日
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DSC_7790.JPG木古内駅に戻り函館行きの列車の再び乗り込む。買ったばかりの弁当を食べながら車窓を眺め、20分ほどで釜谷に到着。ここで下車する。ここの駅から徒歩1分というところのお立ち台にやってきたのだ。
エンジンを震わせて走り去る列車を見送ると静寂が・・・訪れない。海が近いので波の音が聞こえる。「潮騒」なんてロマンチックな感じではなく「ゴォ~ゴォ~」となんだか不気味な波音だ。空は黒いし風は強いし人の気配も全くない。少々心細くなってきた。

DSC_7886.JPG線路を渡り向かいのホームの待合室に向かう。ワム80000を改造した待合室だ。中に入るとほのかに暖かい。なんかさっきまでストーブがついていたような感じだ。
しかしなんだこの待合室は。ただの待合室かと思ったらなんか中で切符を売ってるような節がある。待合室の傍らで駅の事務が行われているような形跡もある。しかしちゃんとした・・・っていうと語弊があるかもしれないけどなんか手作り感あふれるというか「臨時」っていうか。とりあえず正式じゃないような感じがプンプンする。でも嫌な感じじゃない。なんだか温かみを感じる微笑ましい待合室だ。壁に貼られたいろいろなものを読んでいると現実に引き戻される文章が貼ってあった。ざっくり説明すると、この駅は海から100mの距離にあります。地震が起こると津波が押し寄せる可能性があります。国道方面には逃げずに反対側の高台に避難してください・・・といった意味のことが書かれてあった。この文章を読むと「ゴォ~ゴォ~」という津軽海峡の唸りが何とも不気味に思えてくる。今日は3月11日。テレビは全然見てないけどきっと震災関係の番組ばっかりなんだろうな。
駅ノートを発見した。中身を開き読んでみる。管理人の人はどうやらこの近所に住んでいると思われる母娘のようだ。旅人の書き込みもあるけどこの母娘の書き込みが結構多い。駅のことだけでなく何気ない日常のことなんかが書かれていてなかなか和む。この駅には津波なんか絶対来てほしくないと思った。
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14:19 木古内に到着。ここで51分停車。僕は列車を下り改札を抜ける。駅を出て知内方面へと走る。お立ち台通信で見つけたお立ち台に向かうのだ。15分後に木古内にくるスーパー白鳥を押さえるのだ。しかし路面は雪。非常に走りにくい。懸命にお立ち台に向かうもタイムアップ。お立ち台へと向かう途中の橋の上から木古内へ向かうスーパー白鳥を眺めた。15分は厳しいなぁと思っていたけどやっぱり厳しかった。15分といいつつもそれは木古内発が15分後なのであってその手前にあるお立ち台を通過するのはそれよりも2,3分早くなる。たぶん夏場であってもぎりぎり、もしくは滑り込みアウトって感じだったと思う。
函館行きは通過してしまったけど間もなく木古内ですれ違う新青森行きのスーパー白鳥がやってくる。「ここかな?」と思える場所までやってきた。しかし「ここだ!!」と確信できない。なにしろこの場所は除雪した際の雪捨て場みたいななってて高く雪が積み上がっている。この雪を登ろうと試みるもズボズボ埋まって全く話にならない。そうこDSC_7781.JPGうしてるうちに上りのスーパー白鳥が通過。本来ならばS字カーブを力強く通過する列車を撮影できるはずなんだけど全く手も足も出ない。為す術もなく雪の壁の前から走りすぎるスーパー白鳥を撮影。北海道の冬の厳しさを痛感する。北海道の冬のお立ち台は夏場と同様に考えてはいけないというのをまざまざと見せつけられた。今朝、湯ノ岱で何とか撮影できたのは幸運だったなと思った。
定期列車の通過は終わってしまったので引き返すことにする。貨物列車が来るかもしれないけどそんなに高頻度で通過するとは思えない。そもそもこの雪の壁の下からじゃ話にならんのであきらめた。江差で昼飯を食べそこなったので目の前にあるコープへ向かう。弁当とペットボトルのスポーツドリンク、計316円を購入。コンビニと違いスーパーは安い。
雪に足を取られながら木古内の駅へと引き返していった。
DSC_7710.JPG湯ノ岱の駅に戻り12:24発の江差行きに乗り込む。この列車に乗り込むのは僕を含めて3人。ちゃんと駅として利用されているのがうれしい。






DSC_7712.JPG窓の外には先ほど見たラッセル車が。青函トンネル工務所と書いてある。
列車は宮越に向かって走る。峠を登っているのかスピードはぐんと落ちエンジンを轟かせながらゆっくり進む。雰囲気的には留萌線の峠下の辺りを走っている感じとよく似ている。
辺りは大粒の雪が降り積もり1時間ほど前に出ていた太陽の姿はない。さらに進むとさらに深い雪景色となった。積もっている雪の量も函館や木古内辺りと比べると格段に多い。道南とはいえさすが北海道。しかしこれが終着の江差に近づくと風景ががらっと変わる。太陽が出てきて積雪の量も格段に少なくなる。上ノ国までは豪雪って感じだったのにわずか一駅の間でがらっと季節が変わってしまった。数分前までは雪雲に覆われていたのにここでは青空さえ見える。沿岸部と内陸とではここまで違いが出るんだなぁと感心してしまった。
DSC_7741.JPG左手に海が現れ前方にかもめ島が見えてきた。とうとう終着の江差だ。盲腸線の終着駅。ここで線路がぷつっと途切れる。
江差は13年ぶり、3度目の訪問だ。1度目は確か大学2年の時。乗り潰しの一環でやってきた。2度目は大学4年の夏。この時は奥尻島にわたるべく江差の旅館に宿泊した。朝一のフェリーに乗るためにはここで泊まるしかなかったことを覚えている。奥尻島では自転車借りて島内を巡った。「ここを津波が襲ったのか。こんなにきれいな海なのにな」と感傷に浸ったのを覚えている。
盲腸線の終着駅、江差。この駅で線路は行き止まりになる。折り返しまでの時間で駅のスタンプを押し駅前に出る。昼時(といいながらも13時)なので昼食を買おうとするも目に見える範囲には商店はなかった。仕方ないので自販で飲み物だけを購入。
13:13、木古内に向けて折り返す。行先は函館行きだけど途中の木古内で50分以上停車するので感覚的には木古内行きといった感じだ。乗車率は20~30%ほどか。地元の人たち以外は来るときにも乗っていた一人旅の鉄ちゃん達ばかりだ。
DSC_7759.JPG海を右手に分けて内陸へと分け入っていく。すると小春日和の風景から一気に真冬の光景へと引き戻される。この狭いエリアでこんだけ景色が変わるのも面白いなと思う。太陽は姿を消し辺りは大雪が降り続く。なんだか来る時よりもさらに雪・風ともに強くなっている。こりゃ完全に真冬の景色だわ。湯ノ岱辺りも僕が撮影してた時とは天候が一変して完全に吹雪。いやーこりゃすごい。DSC_7773.JPG神明も吉堀も朝来た時よりもさらにパワーアップした雪景色を見せてくれた。
 
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湯ノ岱の駅に戻る。時刻は9:30。あと1時間半は上りも下りも到着する列車は1本もない。ストーブのついた暖かい待合室を貸し切り状態だ。時刻表を眺めたりぼーっとしたりゆったりとした時間の流れの中でのんびり過ごす。一人旅のこういう時間がたまらなく好きだ。
一人の時間を満喫し待合室を後にする。撮影場所へ向かうため、駅前の道道5号線を宮越方面へと移動する。駐在所を横切るときにパトトールへ向かう駐在さんに声をかけられる。首からカメラをぶら下げてる僕を見て「天の川かい?」
「あぁ、天の川を渡る鉄橋のことを言ってるんだな」ってのはすぐに分かった。僕も検討はしたけど歩いていくには少し遠い。「いえいえ、すぐそこまでです」と答えておいた。僕が向かうのはお立ち台通信(本の方)に載ってた駅から500mほどのポイントだ。道道5号線・・・広くていい道だけどこの辺りでは交通量は少ない。
「ここら辺がポイントだよな」ってところに到着。しかし本の通りの景色は見ることができない。歩道がなくなり道の両端には除雪された雪が積み上げられている。要は雪が邪魔して本と同じアングルでの写真が撮れないということだ。「うぬぬ~」
しょうがないので自己流でロケハンする。先へと進むと前方にトンネルが口を開けている。道は両サイドが雪で埋まっているため車道を歩かざるを得ない。この状況でトンネルに足を踏み入れるのは危険だ。先へは進めないので引き返すしかない。そして「ここかなぁ」というところで落ち着いた。目の前にある腰上あたりまでの雪を踏み固めて足場を作る。そしていろいろアングルを考える。以前は昼間ならオートフォーカスで撮影してたけどここ一番でヘッドライトに眩惑されると泣くに泣けないので最近はマニュアルで置きピンで撮ることにしている。
列車通過まで20分ほどあるのでいろいろ試す。この旅では軽量化のために三脚を持ってこなかった。くそ~、こりゃ失敗だったな。
DSC_7663.JPGそして列車がやってきた。「三脚がありゃ楽ちんなのによぅ」と思いながら手持ちで撮影。あっけなく列車は走り去っていく。僕以外だーれもいない撮影地。人だらけのごちゃごちゃ混み合った撮影場所よりこんなだーれもいないとこで一人列車を待ってる方が僕は好きだ。



DSC_7669.JPG写真も撮ったしひとっ風呂浴びようと湯ノ岱駅方面へと引き返す。すると湯ノ岱英方面からラッセル車が向かってきた。「おぉ~あれは!!」  あれは湯ノ岱駅に停まっていたラッセル車だ。いやー動いてるとこを見れるなんていいところに遭遇したわい。前面の羽(翼??つーか正式名がわから)を広げたり閉じたりして進んでいる。いやーいいものを見たわい。
2時間ぶりに訪れた湯ノ岱温泉はしっかりと営業していた。入浴料350円。安い!!よし、タオルも買っていざ入用じゃ!!しかしここでびっくらこいた。なんとタオルが250円もするのである。湯ノ岱温泉のロゴも何にも入っていないただのメンタオルが250円!!高い!!高いぞ!!総額600円のうちタオルの占める割合が40%強。そりゃねーよ・・・。
しかし中に入ってみてなんとなくその理由がわかった。この湯ノ岱温泉、観光客相手の温泉というよりは地元民の銭湯的な温泉だったのだ。脱衣所も古き良き昭和のにおいがムンムンする。浴室にはシャンプー、ボディーソープ的な類のものは置いていない。なるほどねぇ~。かといってこれがいかんという気はさらさらない。ここはそうなんだということを素直に受け入れる。お湯は熱めなのとぬるめなのとがある。雪深い窓の外を眺めながらぬくぬくの温泉で「ぷはぁ~」と夢心地。いいねぇ~。
体ぽかぽかでお風呂から出る。服を着替えて館内を観察。そこで知ったのがこの湯ノ岱、上ノ国町というところにあるようだ。上ノ国・・・かみのくに・・・神の国・・・。なかなかかっこいい名前の町ではないか。
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ちなみに関係ないけどタオルを買った時のおつり(入浴券は券売機で買う)に変な硬貨が混じってた。「地方自治」と書かれた寛永通宝的なデザインが入っていて裏(つーかこっちが表?)には愛知県という文字があり県庁と花(県の花か??何の花か知らんけど)がデザインされている。平成22年製のものだけど何かの記念硬貨のようだ。さすが神の国・・・いや上ノ国。おつりでも変わったものが返ってくる。そういや昔三宮のダイエーで買いもんしたらサッカーのワールドカップの記念硬貨がおつりで帰ってきた。まぁ全然どーでもいいけど。
温泉を後にする。ふと気づくと何だかうっすら湯気を立てた水が排水溝から川(天の川)に流れ込んでいる。「おぉ!!」と思い周りを見渡すと温泉からもうもうと湯気を立てながら排水溝が川へと伸びていた。おいおい、こんなのでお魚ちゃんは大丈夫なのか!?つーか源泉かけ流しならぬ源泉垂れ流しではないか。でもある意味これがあるがままの自然なのかも。ちなみにこの川ではアユやらウグイがよく釣れるらしい。
でもこの光景、街中でもあるわな。昔、塚口に住んでた時のこと。徒歩3分のところにあったつかしんの温泉、「湯の華廊」から流れ出るお湯のせいで冬場の夜つかしん周辺の排水溝からは湯気がもうもうと立ち上っていた。
それは置いといて温泉につかってすっきりほかほかの僕は江差行きの列車に乗るため湯ノ岱駅へと戻っていった。
 
DSC_7497.JPG木古内では乗客全員が下車。僕は同じホームに停まる函館行きの列車を撮影しつつあとから来た新青森行きスーパー白鳥を見送る。再びすっかり乗客が減ってしまった江差行きに乗り込む。8:08、江差に向けて出発。花形の津軽海峡線を左に分け、江差線の核心部分に入っていく。木古内でも雪が多いなぁと思ってたけど内陸に入っていくにつれ雪の量がどんどん増える。道南は雪が少ないなんて思ってたのが一気に吹き飛んだ。道南とはいえここは北海道。青森よりも北なのだ。道南だって海側もあれば内陸もある。いっしょくたに考えてはいけない。


DSC_7519.JPG列車は渡島鶴岡、吉堀と雪深い駅を停車していく。これが最後になるかもしれないので停車駅ごとにすべての駅名表を写真に撮っていく。






                                                         湯ノ岱に到着。ここで下車する。DSC_7533.JPGDSC_7542.JPGDSC_7574.JPGホームにはすれ違い待ちの函館行きの列車が待機している。ここは駅員配置駅でありスタフの交換も行われる。この駅はかつて江差を2度ほど往復した際に通過しているはずだけど全く記憶になかった。で、今回江差線の旅をするにあたって、こんな駅があるのを知って「へぇ~」と驚いた。まず江差駅以外に有人の駅があることに驚いたしそこでスタフ交換が行われていることや乗車券を補充券で発行していたり赤色の常備券があったり硬券の入場券(これはちょいちょい見かける)があったり18きっぷの赤券が置いてあったりとまさに最後の秘境的な駅なのである。
DSC_7569.JPG僕もすかさず江差行きの常備券と硬券の入場券を購入した。ほんとは18きっぷの赤券もほしかったけどこれは買っても使う時間がないので泣く泣くあきらめた。
ところでこの駅で下車した目的はこの駅を訪問するということ以外に2つある。一つはこの駅の近くにある温泉、その名も「湯ノ岱温泉」に入湯すること。もう一つはお立ち台通信で見つけたお立ち台で撮影をすることだ。時刻は9時前。撮影すべき列車は湯ノ岱を10:58発。まだ2時間もあるのでまずは温泉に向かう。昨日は下山後に温泉に入ることができず、仙台から乗った北斗星でも翌朝早々にこの温泉に入る予定だったのでシャワーは浴びなかった。うぉ~早く風呂に入りたいぞ。
駅の裏側、川の向こうにある温泉には徒歩10分ほどで着くらしい。あまり車の通らない国道を歩きすぐに右折。DSC_7562.JPG温泉には10分もかからずに到着した。しかしまるで人気がない。「ひょっとして休みか??」と思いながら建物に近づくと営業は10時からであった。なかなかお寝坊さんな温泉である。う~む、しょーがねーな。撮影場所のロケハンするにも時間が空きすぎているのでひとまず駅に戻ることにした。
 
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1977/09/23
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さらりーまん
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登山 自転車 旅 鉄道
自己紹介:
登山、ロードバイク、一人旅が趣味の37歳。メタボの泥沼からなかなか脱出できないがそれは自分の意志の弱さだとようやく気がついた。最近は「食べるな動け!!」をモットーに脱メタボを目指す。
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